凍霜害

凍霜害

霜による作物への被害が出やすい時期は春と秋の2回あります。

春先に少しづつ暖かくなり始め植物が寒さへの防御を解き始めたころに霜に襲われると、成⾧し始めた新芽や若葉は回復不能のダメージを受けることがあります。

また秋が深まる頃、寒さへの準備が整わないうちに霜が降りると植物は被害を受けます。 収穫前の成熟期の作物においてはすぐさま品質・収量の低下につながります。

被害の度合いは作物の種類や生育段階によって異なりますが、一度の霜で完全に枯れてしまう場合もあります。 加えて、冬場の低温によって作物が凍結被害を被る場合もあります。これらを合わせて「凍霜害」と呼びます。

凍霜害の原因

霜はいつ降りるのでしょうか

雲一つないようなよく晴れた日の夜は日中に太陽光で暖められた地面の熱がどんどん上空へと逃げていくため、日が昇る直前ごろに最も冷え込みます。

風がない場合、上空の暖かい空気が地表に吹き込むこともないため、地表付近はさらに冷えることになります。

気温が4℃を下回ると予想される場合、地表付近はさらに冷えて0℃以下になる場合があります。(気温は地上1.5メートルの高さでの測定値ですから、地表とは温度差があります)

こうした条件が重なるとき、作物の表面に氷の結晶が作られ、霜が発生するのです。

霜害のメカニズム

少しづつ寒さが近づいてくると、植物は糖類やアミノ酸類などを合成・蓄積して細胞内部の溶質濃度を高めて細胞内が凍り付かないように準備します。こうして冬場の氷点下でも植物は生き抜くことができます。

しかし春先や晩秋の予期せぬときに急激な寒さが襲うと防寒対策がなされていない細胞内では氷の結晶が形成され、細胞内部の様々な器官(核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、液胞など)を物理的に破壊してしまいます。

こうして機能不全に陥った細胞は死を迎えます。

凍霜害への対策

日中に蓄えられた地面の熱が夜間に上空に逃げるのを防ぐのが最も手っ取り早い霜害対策です。

作物を寒冷紗や不織布などで上から覆うとか、作物の株元の周辺を藁やもみ殻などでマルチングするなどして作物周辺の保温を行います。

送風機で風を起こし、上部の暖かい空気と地表面の冷え込んだ空気を攪拌する方法もあります。

こういった物理的な対処のほかにも、環境ストレス対策資材「バイオスティミュラント」を使い、植物を体の内側から強化する方法があります。ここでは低霜害といった低温ストレスから植物を守る資材をご紹介します。

ファイト・オーツー

酵母由来のアミノ酸とキトサンオリゴ糖が植物本来の持つ免疫抵抗性を刺激。攻撃を受けたと勘違いした植物は自らの遺伝子に働きかけて、茎の太い頑強な植物体を作ります。

マリンインパクト

商品説明

冬場はマイナス30度以下に冷え込むカナダ沖の潮間帯に生息する海藻アスコフィラムを原料とするバイオスティミュラント資材マリンインパクト。フコイダン、マンニトール、ベタ インなどの豊富な有機成分により低温環境に起因するストレスから作物を守ります。

使用法・価格

どんな作物にも使用でき、葉面散布でも土壌散布でも使えます。2~3週ごとの継続的な散布がベストですが、ストレスが予想される時期に予防のために使っていただくのも効果的です。防除の時に合わせて混用散布も可能です。10アール当たり100~200ml(約400円~)のご使用が目安です。

グリーンステム

商品説明

植物由来の成分グリシンベタインが植物細胞の浸透圧を調節し、低温下の過酷な環境においても溶質濃度を調節することで細胞内を凍結から守ります。

使用法・価格

果樹、野菜など幅広くお使いいただけます。2~3週間間隔で葉面散布または土壌灌注します。10アール当たり200~500gの使用で、大体2,000円~のお値段です。

ファイト・カル

商品説明

優れた浸透性と移動性を有する有機キレートカルシウムに、トレハロースと保湿浸透剤を加えることで吸収と移動をさらにアップ。細胞を強化して低温・霜から植物を守ります。

使用法・価格

作物全般に、特には果菜類や葉菜類にオススメ。育苗期から7~10日おきに定期的に使っていただけます。10アールあたり100~400リットル( 約200円~)のご使用が標準的。

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